株のシステムトレードをしよう - 1から始める株自動取引システムの作り方

株式をコンピュータに売買させる仕組みを少しずつ作っていきます。できあがってから公開ではなく、書いたら途中でも記事として即掲載して、後から固定ページにして体裁を整える方式で進めていきます。

Qlibが出力するポートフォリオ分析、リスク分析の図で使用される用語の解説

はじめに

本記事では、下記で作成したグラフや図のそれぞれの用語を解説する。もし誤りがあれば教えてほしい。基本的なものも含まれるが、思い出しも兼ねて再度見直す。

how-to-make-stock-trading-system.dogwood008.com

用語

超過リターン

ベンチマークをどれだけ上回ったかを示す数値。例えばベンチマークより1%成績が良いモデルを作れていれば、超過リターンは1%となる。

参考:

累積リターン

一定期間の収益率を示す数値。「一定期間」には、1カ月、6カ月、12ヶ月、36ヶ月等が使われることが多そう。累積リターン同士で、他の金融商品と比較することができる。

参考:

最大ドローダウン

資産運用中に、最も大きく発生した損失を指す。

累積異常リターン

企業価値に影響を与えるイベントが発生した際、もしそのイベントがなかったら発生しなかった追加のリターン(利益も損失も)が発生したとする。この追加のリターンを異常リターンという。累積異常リターンは一定期間に於ける異常リターンの合計を指す。

イベントが株価に与える影響の測定に使用されたり、モデルや戦略のパフォーマンスを予測するときに用いられる資産価格設定モデルの精度評価に使われたりする。

参考:

売買回転率

株式相場でどれくらいの程度活発に取引が行われているかを知るための指標の一つ。大きいほどより活発に市場で取引が行われていると一般的にはみなす。

  • 売買回転率=特定期間の売買代金合計/平均上場株式数*100
  • 平均上場株式数=(前期末上場株式数+当期末上場株式数)/2

参考:

IC (Information Coefficient) 情報係数

アクティブリターンの予測値と、実現したリターンの相関係数。ポートフォリオを作るスキルを評価するために使用される。情報係数は -1 から 1 の間の値を取り、1 に近いほどポートフォリオのパフォーマンスを予測する能力が高いことを示す。

+1.0に近い情報係数を持ったポートフォリオは、アナリスト予測に近い動きになる。0は、アナリスト予測とポートフォリオのパフォーマンスに相関がないことを示す。-1.0に近い情報係数を持ったポートフォリオは、アナリスト予測と逆の動きになる。

参考:

スピアマンの順位相関係数

J-Quantsで開催されたコンペでも使用された指標ρ で表される。-1から+1の間の値を取り、絶対値が大きいほど相関が高いことを示す。0は相関がないことを示す。正の値なら正の相関、負の値なら負の相関を示す。

データの値ではなく順位に着目して、2つのデータ間において、順位の相関を測るために使用する。

参考:

自己相関

異なる2つの変数間ではなく、同じ変数の過去と現在の値の間の相関を指す。自己相関は、時系列データのパターンを特定するために使用される。

例えば、時刻が t-1 の時の株価 price(t-1) と時刻が t の時の株価 price(t) を比較した際、ほとんどの場合において price(t)price(t-1) の値に依存しているといえる。このように、時刻が t-1 の時の株価 price(t-1) と時刻が t の時の株価 price(t) の間に相関があることを自己相関があるという。

参考:

おわりに

本稿では、グラフで使われていた用語の解説をした。次は実際に出力された図を読み取って、どう解釈すれば良いかを考える。

(C) 2020 dogwood008 禁無断転載 不許複製 Reprinting, reproducing are prohibited.