Windows用のDLLである。シェアウェアで本体価格2,280円(2020年10月10日現在)。C, C#, Visual Basic でのサンプルが同梱されている。
公式Webサイト1の紹介によると、「SBI証券のWebサイト(口座)にログインして、株の売買注文やリアルタイム株価の取得ができる機能を持っています。」とのことである。
メリットはたった2千円ちょっとで、面倒な実装を全てアウトソースできてしまう点であろう。ログインから始まり、注文(発注、取り消し)、口座情報の取得、リアルタイム株価の取得、注文状態の確認等に対応している。株取引の自動化における面倒事を全て引き受けてくれるということは、システムトレードしたい人は、そのアルゴリズムや戦略に集中することができる。10年間もの歴史があり、「バグ報告も歓迎」とある。
デメリットというよりリスクであるが、SBI証券の約款に注意が必要であると思われる。「第3章 インターネット取引取扱規程」のうち、下記が著者が着目すべきと考える規約の部位である。
(本サービス利用の禁止) 第17条 当社は、次の各号に掲げる事由によりお客様が本サービスをご利用いただくことが不適当と判断した場合には、本サービスの全部又は一部のご利用をお断りすることがあります。
(1)お客様が当社のシステムに対して、通常の取引の合理的範囲を超える過大なアクセスを行っていると当社が判断した場合
(2)お客様が当社が認容する取引ツール、プログラム、ソフトウェア等以外のものを使用するなど、当社が提供するシステムの意図から外れた方法で本サービスを利用した場合あるいは利用しようとする場合
引用:SBI証券, SBI証券, https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/kouhu/open_kouza_02.html, アクセス日:2020年10月10日
特に(2)について、SBI Client の使用がそれに該当するかの判断は SBI証券 が行う(というか外野である著者は判断すべきでないし、できない)ので、ここでは使っても問題ないとも問題あるとも言及しない。
この条項の(2)であるが、少なくとも数年前までは無かった。著者の記憶が正しければ2、2019年の12月から施行された条項である。その後数ヶ月してauカブコム証券から個人向けAPI3の開放があったことを鑑みるに、SBI証券もAPIの提供を見据えてこの条項を追加したのかもしれない。