株のシステムトレードをしよう - 1から始める株自動取引システムの作り方

株式をコンピュータに売買させる仕組みを少しずつ作っていきます。できあがってから公開ではなく、書いたら途中でも記事として即掲載して、後から固定ページにして体裁を整える方式で進めていきます。

資金繰りと差金決済取引の禁止

(ℹ)最新版が固定ページにあります:

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上記で述べたように、現物株を取引する場合には、手渡日を意識した資金繰りを考えなければならない。

一方で信用取引をする場合には、(詳細は後述するが)売ったら(手仕舞いしたら)その瞬間含み益または含み損が確定し、口座に金が戻ったり減ったりする。そのお金は現金としてまた別の株を現物で買ったり、信用で売買したりできる。

これは、法律によって証券会社が差金決裁取引を客に提供することが、信用取引を除いて法律1と内閣府令2で禁止されているからである。差金決済取引とは、株式等の有価証券を売ったり買ったりした時に、「実際に現金を渡し、株式(有価証券)を受け取る」代わりに、「帳簿上だけで取引を済ませてしまい、利益や損失が出たら、その部分だけ決済する」ような取引を指す。

例えば「1グラムの価格が5000円の時に金3(きん、Gold)を1グラム 購入」しておき、「6000円になった時に売った」場合、1000円の利益が出ることは誰にとっても自明だろう。この時、実際にお金を渡して手元に金を持つのではなく、帳簿上でのみお金を渡したことにして金を預かったことにし、その後帳簿上でのみ金を売ったことにする。こうすると差額の1000円が利益となる。その差額の金額(=差金)だけを決済(=1000円をもらう)する取引なので、差金決済取引である。

話を戻すと、法律が変わらない限り、どんな証券会社を使用したとしても、日本国内において日本国内の株式を売買する場合、現物では差金決済が出来ないということである。

手元資金が少ない場合、株価が低い銘柄に絞って取引するという戦略でも良いと思うが、1日に何度も売買すると、あっという間に口座の現金が尽きてしまう。そのような場合は信用取引を使うと、少ない資金でも効率よく取引することができるだろう。


  1. 金融商品取引法「第百六十一条の二 信用取引その他の内閣府令で定める取引については、金融商品取引業者は、内閣府令で定めるところにより、顧客から、当該取引に係る有価証券の時価に内閣総理大臣が有価証券の売買その他の取引の公正を確保することを考慮して定める率を乗じた額を下らない額の金銭の預託を受けなければならない。
    2 前項の金銭は、内閣府令で定めるところにより、有価証券をもつて充てることができる。」
    引用:”e-Gov”, https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000025, アクセス日:2020年10月9日

  2. 金融商品取引法第百六十一条の二に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令「第十条 金融商品取引業者は、顧客が信用取引を行うことを有価証券の売買の注文と同時に明示しない取引については、当該顧客が当該取引による買付け又は売付けに係る有価証券について、これと対当する有価証券の売付け又は買付けにより、これを決済する取引を行つてはならない。」
    引用:”e-Gov”, https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=328M50000040075, アクセス日:2020年10月9日

  3. 実際には金は有価証券ではないが、説明として使用する。

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